アサヒビールのアサヒではありません。金属リサイクル企業のアサヒHD2020年本決算内容を簡単に調べてみました。高配当で好業績なのに地味銘柄なためか株価があまり伸びません。コロナ禍で来期の業績予想は今期を下回りましたが、10円増配予想が発表されました。決算発表後の株価は-0.73%の下落となりました。

 2020年3月期の本決算発表内容

アサヒHD 5857の株価
●2020
51日終値:2448
配当:130円(来期は140円予想)
●配当利回り:5.3%
PER(株価収益率):10.24
PBR(株価純資産倍率):1.39
●株主優待:自社製品優待価格販売

↓現在のチャートの動き。2000円で買いたかったです(@_@)自分はコロナショック前の高値で買いました…

営業利益が前年比2ケタプラス

連結業績です。決算期間は2019年4月1日~2020年3月31日までです。
IFRS
会計です。

↓昨年比
●売上収益 13556300万円 +22.8%
●営業利益 2011900万円 +49.7%減
●税引前利益 1765000万円 +42.9%減
●当期利益 984600万円 +9.4%減
●親会社株主に帰属する当期純利益 984600万円 +9.4%減
●当期包括利益合計額 569000万円 -25.4%減

営業利益は3期連続で過去最高益を更新しました。

損益計算書

連結子会社のフジ医療器の株式60%譲渡後→非継続事業となりました。これによりライフ&ヘルスセグメント事業が廃止となりました。

販管費が前年より減少し生産効率が上がっています。

バランスシート

◎流動資産1876400万円>流動負債15313700万円
◎非流動資産4235400万円<資本6917400万円
(非流動→固定、資本→純資産)

流動比率122%=流動資産÷流動負債×100(昨年161%)
自己資本比率30%=純資産÷総資産×100(昨年42%)
ROA
 4.2%(純資産利益率)=当期純利益÷資産(昨年5.6%)
ROE
 14.2%(自己資本利益率)=当期純利益÷純資産(昨年13.2%)

IFRS16号「リース」の適用の影響
・非流動資産…有形固定資産が213800万円増加
・流動負債、非流動負債…その他の金融負債が5700万円、163100万円増加

流動比率100%超えで安全なバランスシートです。
自己資本比率が抑えられ、高ROEとなっています(^^)/

株主へ高配当して大丈夫なのか?と疑問に感じるところですが、決算資料によりますと、
北米借入を除くと、自己資本比率は50%以上になる」そうです。

●北米借入とは?
北米事業の貴金属精錬取引で「前渡し取引」のために金融機関から借入をしています。
借入と同時に先物市場で貴金属価格をヘッジしているため、価格変動リスクがありません。


●前渡し取引とは?
①鉱山会社から原材料を受領する

②原材料の製品化まで約1週間かかる。

③鉱山会社から早期の製品返却要望あり

④鉱山会社から「前渡し日数に応じた金利」を受領

⑤金融機関から借入して、鉱山会社へ前渡しする

⑥製品化したメタルを金融機関へ返済

借入金は製品化して返済するため、貸倒リスクがありません。
この借入の流れはキャッシュフローにも表れます。

キャッシュフロー

・営業キャッシュフローマイナス603億円
・投資活動キャッシュフロー→プラス19億円
・財務活動キャッシュフロープラス652億円


△営業活動のキャッシュフローの主な増減は営業債権及びその他の債権の増加額、棚卸資産増加でマイナス。
投資活動のキャッシュフローの主な増減は子会社売却による収入でプラス。
財務活動のキャッシュフローの主な増減は短期借入増加、社債の発行でプラス。※借入金654億円のうち587億円が北米事業借入金

キャッシュフローを見た時に、営業CFがマイナスで財務CFの短期借入金が多いため「ほぼ死亡型」だと思いましたが、先ほど記述した前渡し取引によるものでした。

北米事業で前渡し取引による短期借入の増加(財務CF)と、借入見合いのための営業債権増加(営業CF)ですので実質これらを除くと通常のキャッシュフローになります。

セグメント事業別売上収益

貴金属事業が好調です。
・貴金属事業(貴金属リサイクル)…前年比+29.6
・環境保全事業(廃酸、廃アルカリ、廃油等の処理・無害化)…前年比+6.7

まとめ

コロナ禍による経済活動低迷の影響で次期の見通しは、売上収益+10.6%増、営業利益-16.5%減、当期利益-2.4%減です。

配当利回り高いですが、株価に人気が見られません。やはり懸念するところは借入金の多いキャッシュフローでしょうか…(@_@)決算資料の説明を読まないとよくわからないので、表だけ見ると不安になります。